古物商を営むうえで、古物営業に関する言葉の定義や用語を理解しておくことは大変重要になります。本ガイドでは、これから古物商許可を取得しようと考えている方が最低限知っておきたい基本的な用語をピックアップし、わかりやすく解説しております。
古物とは以下のものをいいます。
「使用」とはその物品本来の用法に従って使用することをいいます(衣類であれば着用することなど)。「物品」には鑑賞的美術品や商品券、乗車券、郵便切手などの「金券類」が含まれますが、船舶、航空機、工作機械などの大型機械類は含まれません。
「古物」の具体的な例はこちらをご参照ください。
古物営業とは以下の営業をいいます。
上記1.の営業を行うために公安委員会から許可を受けた者を「古物商」といいます。
「古物営業」の具体的な例はこちらをご参照ください。
営業所とは、古物営業を実際に行う場所をいいます。登記上の本店であるかどうかや、名称(本店、支店、店舗、事務所)などは関係ありません。例えば、登記上の本店が山形市にある法人が、本店では古物の売買を行わず、古物の売買を行うのは天童市の店舗である場合は、その店舗が古物営業法上の営業所となります。なお、古物の買い取りを行わず、販売のみを行う店舗等は営業所に該当しません。例えば、X株式会社にA店とB店があり、A店では古物の買い取りと販売を行い、B店ではA店で買い取った古物を販売するのみである場合は、A店のみが営業所に該当します。
上記の「営業所」が複数ある場合に、営業の本拠となるものを「主たる営業所」といい、それ以外の営業所を「その他営業所」といいます。営業所が1つの場合は自動的にそこが主たる営業所となります。なお、古物商許可の申請先は主たる営業所の場所の所轄警察署になりますので、2つ以上の営業所を設置する場合はいずれかの営業所を主たる営業所として選ぶことになります。主たる営業所の場所の所轄警察署がその後の様々な手続き(書換申請手続き等)の申請先となりますので、今後の利便性を考えて選ぶ必要があります。
管理者とは、営業所に係る業務を適正に実施するための責任者で、営業所ごとに管理者1人(その営業所に常勤できる者)を選任する必要があります。管理者については欠格事由が定められていますので、ある一定の事由に該当する方は管理者になることができません。また、一定の場合を除き、複数の営業所との掛け持ちはできません。なお、管理者は営業者(古物商)本人がなることもできますので、個人申請の場合は申請者が管理者を兼任することができます。法人申請の場合は役員が管理者になることもできます。
行商とは、出張買取や催し物場への出店など、営業所を離れて取引を行う営業形態をいいます。以下のような行為をする場合は許可内容が「行商する」となっている必要があります。なお、古物商が行商をする場合は「許可証」の携帯が義務付けられており、古物商が従業員などに行商をさせる場合は、古物商はその従業者(従業員)に「行商従業者証」を携帯させなければなりません。
「行商」が許可されていれば営業所以外でも古物の取引ができますが、「買い取り(受取り)」については制限があり、古物商以外の一般の方(法人含む)からの古物の買い取りは、自身の営業所又は相手の住所(居所)でなければできないことになっています。ただし、事前に仮設店舗を設けようとする場所の所轄警察署(仮設店舗を設けようとする都道府県に営業所がない場合は既存営業所の所轄警察署でも可)に日時・場所の届出をすれば、仮設店舗においても古物を受け取ることができます。なお、仮設店舗の設置場所には制限がありませんので、相手の勤務先や公共施設などでもおこなうことができます。
行商従業者証とは、古物商が従業者(従業員)に上記の「行商」をさせるときに携帯させなければならないものです。あくまで行商をする従業者が必要になるものですので、行商をしない従業者の行商従業者証は必要ありません。なお、行商従業者証は様式が法定されていますので、作成する際は注意する必要があります。